きみのまなび おてつだい不登校の記事 > 不登校で勉強が遅れている。どこから取り戻せばいいのか
勉強の遅れ

不登校で勉強が遅れている。どこから取り戻せばいいのか

「このままだと、取り返しがつかなくなるのでは」。不登校のご家庭から、いちばん多くいただくご相談です。結論から申し上げます。遅れは取り戻せます。ただし、やり方を間違えると、お子様が最初の1週間で潰れてしまいます。

株式会社地域教育工房 代表 関田英介 / 最終更新 2026-08-04

遅れは「学年」ではなく「単元」で見る

「中2の途中から行けていないから、中2の4月から全部やり直し」——これが、いちばんよくある失敗です。分量が膨大に見えてしまい、お子様は始める前に諦めます。

実際には、学校を休んだ期間と、わからない単元は一致しません。行けていた時期にすでにつまずいていた単元もあれば、休んでいた期間の内容でも問題なく理解できる単元もあります。見るべきは在籍期間ではなく、いま何が解けて何が解けないか、それだけです。

全部やり直す必要はありません

教科は、性質で2つに分かれます。この区別を知っているだけで、やることが半分以下になります。

積み上がる科目|算数・数学、英語

前の単元がわからないと、次が絶対にわかりません。分数でつまずいたまま方程式には進めませんし、be動詞が曖昧なまま関係代名詞は理解できません。この2教科だけは、原因の単元まで戻る価値があります。ただし戻るのは「解けない問題の原因になっている単元」だけで、その学年の全部ではありません。

積み上がらない科目|理科・社会・国語

単元どうしのつながりが弱いため、今の学年の、今やっているところから始めて構いません。「江戸時代を飛ばしたから明治がわからない」ということは起きません。ここを律儀に遡ると、時間だけが溶けます。

つまり、戻る必要があるのは実質2教科だけ。しかもその2教科も、全範囲ではなく「原因の単元」だけです。ここまで絞り込めれば、多くの場合、想像よりずっと短い期間で追いつけます。

「原因の単元」の見つけ方

これがいちばん難しいところです。お子様に「どこがわからない?」と聞いても、たいてい答えられません。わからない場所がわかるなら、もう半分解決しているからです。

ご家庭でやるなら、今の学年の問題を1問解かせて、手が止まったところで「その1つ前」に戻る、これを繰り返します。地道ですが確実です。時間が取れない場合は、理解度を診断して原因の単元まで自動でさかのぼるAI教材(atama+ など)を使うと、この作業が数十分で終わります。

最初の2週間は、量を求めない

学習習慣が切れている状態から再開するとき、最大の敵は「遅れ」ではなく「机に向かえない」ことです。ここを飛ばして分量から入ると、ほぼ確実に3日で止まります。

  1. 1週目|1日15分でいい。時間を決めて、その時間に座る。内容は何でも構いません。座れた日をカレンダーに丸で記録します。
  2. 2週目|同じ時間に、30分。まだ量を増やしません。「いつも同じ時間に始まる」ことだけを体に入れます。
  3. 3週目以降|ここで初めて内容に踏み込む。座れるようになってから、遅れの回収を始めます。

遠回りに見えますが、これがいちばん速い道です。習慣がないところに分量を積んでも、積んだぶんだけ崩れます。

親がやってはいけない3つのこと

① 毎日、進み具合を確認する

「今日はどこまでやったの?」を毎日聞かれると、勉強は「報告義務」になります。報告が面倒になった時点で、勉強そのものが止まります。確認するなら週に1回、それも「進んだか」ではなく「座れたか」を。

② 他の子や、過去の本人と比べる

「〇〇ちゃんはもう受験勉強してる」「前はできてたのに」。この2つは、お子様の中で「自分はもう手遅れだ」という結論に直結します。比べる相手は、先週の本人だけで十分です。

3つ目について補足します。学習習慣が切れるのは、たいてい失敗した翌日です。1日できなかっただけなら習慣は切れません。切れるのは、できなかったことを責められて、翌日その机に向かうのが嫌になったときです。だから、できなかった日をどう扱うかが、実は最大の分岐点になります。

私たちが指導のなかで最も時間をかけているのも、この「うまくいかなかった日の受け止め方」です。詳しくはプロ講師のてしごとのページに書いています。

よくいただくご質問

Q. 何年ぶんも遅れていますが、間に合いますか?
教科によります。理科・社会・国語は今の学年から始められるので、遅れという概念があまり当てはまりません。算数・数学と英語は原因の単元まで戻る必要がありますが、それも全範囲ではなく必要な単元だけです。まずは何が解けて何が解けないかを確認するところから始めてください。
Q. 本人にやる気がありません。どうすればいいですか?
やる気が出てから始めるのではなく、先に「同じ時間に座る」という形だけをつくります。やる気は、できたという実感のあとに出てくるものです。順番が逆になっていると、いつまでも始まりません。
Q. 学校に行けていなくても、勉強だけ進めていいのでしょうか?
はい。学校に戻ることと勉強を進めることは、別々に考えて構いません。勉強が進むと「戻ったときに何とかなる」という見通しが立ち、それが結果的に登校のハードルを下げることもあります。

ひとりで抱えなくて、大丈夫です

「うちの子でも大丈夫でしょうか」というご相談を、いちばん多くいただきます。
まずは1か月、まるごと無料でお試しください。入会金は0円、しつこい勧誘はしません。