遅れは「学年」ではなく「単元」で見る
「中2の途中から行けていないから、中2の4月から全部やり直し」——これが、いちばんよくある失敗です。分量が膨大に見えてしまい、お子様は始める前に諦めます。
実際には、学校を休んだ期間と、わからない単元は一致しません。行けていた時期にすでにつまずいていた単元もあれば、休んでいた期間の内容でも問題なく理解できる単元もあります。見るべきは在籍期間ではなく、いま何が解けて何が解けないか、それだけです。
全部やり直す必要はありません
教科は、性質で2つに分かれます。この区別を知っているだけで、やることが半分以下になります。
積み上がる科目|算数・数学、英語
前の単元がわからないと、次が絶対にわかりません。分数でつまずいたまま方程式には進めませんし、be動詞が曖昧なまま関係代名詞は理解できません。この2教科だけは、原因の単元まで戻る価値があります。ただし戻るのは「解けない問題の原因になっている単元」だけで、その学年の全部ではありません。
積み上がらない科目|理科・社会・国語
単元どうしのつながりが弱いため、今の学年の、今やっているところから始めて構いません。「江戸時代を飛ばしたから明治がわからない」ということは起きません。ここを律儀に遡ると、時間だけが溶けます。
「原因の単元」の見つけ方
これがいちばん難しいところです。お子様に「どこがわからない?」と聞いても、たいてい答えられません。わからない場所がわかるなら、もう半分解決しているからです。
ご家庭でやるなら、今の学年の問題を1問解かせて、手が止まったところで「その1つ前」に戻る、これを繰り返します。地道ですが確実です。時間が取れない場合は、理解度を診断して原因の単元まで自動でさかのぼるAI教材(atama+ など)を使うと、この作業が数十分で終わります。
最初の2週間は、量を求めない
学習習慣が切れている状態から再開するとき、最大の敵は「遅れ」ではなく「机に向かえない」ことです。ここを飛ばして分量から入ると、ほぼ確実に3日で止まります。
- 1週目|1日15分でいい。時間を決めて、その時間に座る。内容は何でも構いません。座れた日をカレンダーに丸で記録します。
- 2週目|同じ時間に、30分。まだ量を増やしません。「いつも同じ時間に始まる」ことだけを体に入れます。
- 3週目以降|ここで初めて内容に踏み込む。座れるようになってから、遅れの回収を始めます。
遠回りに見えますが、これがいちばん速い道です。習慣がないところに分量を積んでも、積んだぶんだけ崩れます。
親がやってはいけない3つのこと
① 毎日、進み具合を確認する
「今日はどこまでやったの?」を毎日聞かれると、勉強は「報告義務」になります。報告が面倒になった時点で、勉強そのものが止まります。確認するなら週に1回、それも「進んだか」ではなく「座れたか」を。
② 他の子や、過去の本人と比べる
「〇〇ちゃんはもう受験勉強してる」「前はできてたのに」。この2つは、お子様の中で「自分はもう手遅れだ」という結論に直結します。比べる相手は、先週の本人だけで十分です。
③
3つ目について補足します。学習習慣が切れるのは、たいてい失敗した翌日です。1日できなかっただけなら習慣は切れません。切れるのは、できなかったことを責められて、翌日その机に向かうのが嫌になったときです。だから、できなかった日をどう扱うかが、実は最大の分岐点になります。
私たちが指導のなかで最も時間をかけているのも、この「うまくいかなかった日の受け止め方」です。詳しくはプロ講師のてしごとのページに書いています。
よくいただくご質問
Q. 何年ぶんも遅れていますが、間に合いますか?+
Q. 本人にやる気がありません。どうすればいいですか?+
Q. 学校に行けていなくても、勉強だけ進めていいのでしょうか?+
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